5月31日 MODEA ラスト・ライブ

「銀座での展覧会を終え、目黒へ移動」
「土曜日だから、時間はたっぷりあったんでしょう」
「余裕だったな。6時半には駅に着いてしまった」
「あら……確かここの予定は」
MODEAのライブが、7時半から」
「1時間も早いですね」
「まあ、お酒を飲んで、食事も出来るお店でのライブじゃから、早くても……」
「また飲み過ぎて暴れたんでしょう」
「少しだけ……何を言わせるんだ」
「それで、どうしました」
「よく分からないのは、500円高いテーブル席のチケットを買ったのに、料理の伝票にテーブルリザーブ料が500円ついていたことじゃ」
「あら……じゃあ、千円も高かった」
「まあ、仕方があるまい。今日のライブだけで予算2万円じゃ」
「ふええ」
「さて、1杯やっているうちにライブ開始となった。6月発売の新しいアルバムのタイトル曲『Peaple Tree』から始まった」
「どんな曲です」
「最初のアルバム『GARCON led to the Forest』と同じ方がジャケットをデザインされているのじゃが、それはアルバムを聴いて理解出来た」
「どういうことです」
「世界が同じなのじゃ。MODEAの世界がここから始まり、これで一つの完結を迎える。そんな印象を受けた」
「同じようなCDなら要らないですね」
「いや、そこに、通ってきた道があるのじゃ。様々な世界を巡って、奥深い世界を描写する力量が加わった。まさに集大成というのにふさわしい作品なのじゃ」
「すごいほめ方」
「そこからこの夜のライブも始まったのじゃ」
「はい」
「とにかく、最初から一つのドラマを展開した。ここから4枚のCDに収められた作品が次々に登場……こうして、最後は『夜もみじ』のDVDを流しながら、『MOMIJI』、これも最新アルバムに収められた曲じゃ」
「『夜もみじ』のDVDって、発売中ですよね」
「ブルーレイディスクなので……わしは初めて聞いた」
「無事演奏会終了ですか」
「何を言ってる、まだ第1部じゃ」
「え……まだあるの」
「これからじゃよ」
「さあ大変ですね」
「第2部はデパートCMの『Romantic White』、テレビ主題曲の『Clarity』、いずれもアルバムタイトルじゃな、ラジオ主題曲の『Sunday Sunday』など……世界フィギュアでの演奏など彼女たちの軌跡も交えて紹介、演奏会ならではの、『カルメンメドレー』……これはサラサーテを基盤に新しい世界を作り上げていた……『MODEAメロディー』16曲なども……」
「ちょ、ちょっと待って下さい。第1部がすごく充実しているのに、第2部もとんでもない世界ですね」
「そうなのじゃ。
 紗代ちゃんのピアノ、尚子ちゃんのヴァイオリン、聡子ちゃんのパーカッション、それぞれに素晴らしいテクニックのソロがある。技術に裏打ちされた基盤があるからこそ、音楽的に奥行きも生まれて来たのじゃ」
「だからCDもいい作品になった」
「そうじゃな。繰り返し聞いて味わいが失われない。なるほど、わしがファンになったのはそれだけの理由があったのじゃな」
「この夜やっと確認出来た」
「そうなのじゃ。何に惹かれているのか説明出来ない部分はいつでもある。それが自分で理解出来た、貴重な演奏会じゃ」
「はい」
「『Trip a Go-Go!』で、曲に合わせての手拍子も自然に起こって、客席も熱気あふれる状況になった」
「よくあることでしょう」
「そうでもない。本当に気持ちが乗って手拍子をするというのは、生涯で2回目か3回目か……」
「へえ」
「アンコールの『Bygone Days(過ぎ去りし日々)』も良かった。もちろん最後の最後に『Destination in STAR』。とにかく、MODEAの持てるもの、全てを出したと感じさせる演奏会じゃった」
「すごかったんですねえ……でも、随分長いような……」
「演奏終了が11時半、それからサイン会じゃ」
「ええ……大家さん、6時半に入って……」
「そうじゃ。それより、立ち見で百人以上が見ていたが、大変だったな……でも、それに応える素晴らしい演奏会じゃった」
「はい」
「わしは貴賓席で見たが、空席は全部で2つしかなかった」
「空席があったのが驚きですね」
「まあ、何か事情があって来られなかったのじゃろうな。それがわしの右と左じゃった」
「え……大家さんだけが広々と」
「遠慮無くテーブルを使えた」
「迷惑になるから、お店の方で空けたんでしょう」
「きっとそうじゃな……そんなはずがあるか!」
「こうして、サイン会が終わって」
「お土産と花束を渡して、日付が代わってしまった」
「大変ですねえ」
「これから我が家に帰ると、朝5時到着」
「え……」
「もう最終に間に合わないのじゃ。仕方なく家内の実家までタクシーで」
「はい、本当に大変でした」
「しかし、それを越える、満足と充実のライブじゃった」
「画像は」
MODEAが出した全てのアルバムのジャケット。最後は今回のサイン。もちろん、全てのCDにサインが入っているのじゃが」
「はい、今後の新生MODEAの活躍に期待しましょう」
紗代さんの飛躍もじゃ」